通貨ペアとは|FXで「何を売買しているか」を決める基本単位

通貨ペアとは|FXで「何を売買しているか」を決める基本単位 用語・概念解説

通貨ペアとは、FXにおける取引の対象となる2つの通貨の組み合わせのこと。FXとは本質的に「ある通貨を売り、別の通貨を買う」取引であり、この交換の組み合わせが通貨ペアとして表示される。

たとえば「USD/JPY」はアメリカドルと日本円の通貨ペアで、「ドルを円で買う(または売る)」取引を意味する。世界中の通貨ペアの中から、自分が取引したいペアを選んでFXは始まる。

通貨ペアの表示を読む

通貨ペアは「基軸通貨/決済通貨」という形式で表示される。

  • USD/JPY 150.25 → 1ドルを買うのに150.25円が必要
  • EUR/USD 1.0825 → 1ユーロを買うのに1.0825ドルが必要
  • GBP/JPY 191.30 → 1ポンドを買うのに191.30円が必要

スラッシュ(/)の左側が基軸通貨(Base Currency)、右側が決済通貨(Quote Currency)だ。価格は「基軸通貨1単位を決済通貨でいくらで買えるか」を示している。

通貨ペアの表示を読む

買いと売りの方向

  • 買い(ロング):基軸通貨を買い、決済通貨を売る。USD/JPYの買いは「ドルを買って円を売る」
  • 売り(ショート):基軸通貨を売り、決済通貨を買う。USD/JPYの売りは「ドルを売って円を買う」

「ポジション」で学んだロング/ショートの概念が、ここで通貨ペアの方向性と直接つながる。

通貨ペアの種類

世界には数十種類以上の通貨ペアがあるが、大きく3つに分類される。

メジャーペア

米ドル(USD)が含まれる主要な通貨ペア。取引量が多く、スプレッドが狭い傾向がある。

  • USD/JPY(ドル円)
  • EUR/USD(ユーロドル)
  • GBP/USD(ポンドドル)
  • AUD/USD(オーストラリアドル・ドル)
  • USD/CHF(ドル・スイスフラン)
  • USD/CAD(ドル・カナダドル)

クロス円

米ドルを介さず、円と他の通貨を直接組み合わせたペア。日本のFX市場では人気が高い。

  • EUR/JPY(ユーロ円)
  • GBP/JPY(ポンド円)
  • AUD/JPY(オーストラリアドル円)
  • CHF/JPY(スイスフラン円)

マイナーペア・エキゾチックペア

取引量が少なく、スプレッドが広い傾向がある。値動きが大きいことも多い。

  • NZD/USD(ニュージーランドドル・ドル)
  • USD/ZAR(ドル・南アフリカランド)
  • USD/MXN(ドル・メキシコペソ)など
3分類と流動性の関係

流動性とスプレッドの関係

通貨ペアを選ぶ上で重要な概念が流動性だ。流動性とは、その通貨ペアがどれだけ活発に取引されているかを表す。

流動性が高い通貨ペアは

  • 売買の注文が常に大量に存在するため、取引が成立しやすい
  • スプレッドが狭くなりやすい(コストが低い)
  • 急激な価格の跳びが起きにくい

流動性が低い通貨ペアは

  • スプレッドが広い(コストが高い)
  • 値動きが不規則になりやすい
  • 大きなロットで取引すると価格に影響を与えることがある

USD/JPYやEUR/USDはFX市場全体でも最も流動性が高い通貨ペアの一つで、スプレッドも狭く設定されることが多い。初めて取引する通貨ペアとして選ばれやすいのはこのためだ。

通貨ペアごとの「個性」

通貨ペアにはそれぞれ値動きの特徴がある。これを理解しておくと、自分のトレードスタイルに合ったペアを選びやすくなる。

USD/JPY(ドル円)

  • 日本時間(東京市場)と米国時間(ニューヨーク市場)に動きやすい
  • 日本の政策金利・米連邦準備制度(FED)の発言・雇用統計に敏感
  • 比較的値動きが安定しており、初心者に選ばれることが多い

EUR/USD(ユーロドル)

  • 世界で最も取引量が多い通貨ペア
  • ヨーロッパ市場(ロンドン)が動く時間帯に活発になる
  • ECB(欧州中央銀行)の政策に左右されやすい

GBP/JPY(ポンド円)・GBP/USD(ポンドドル)

  • 値動きが大きく、1日で100〜200pips動くことも珍しくない
  • 利益機会が大きい反面、損失も大きくなりやすい
  • 英国の経済指標・政治的ニュースで急変動することがある

AUD/JPY(オーストラリアドル円)

  • 資源国通貨(豪ドル)のため、商品価格(鉄鉱石・石炭など)の影響を受ける
  • 中国経済の動向との連動性が高い
  • リスクオン・リスクオフの動きに敏感

通貨ペアと時間帯の関係

FX市場は24時間動いているが、時間帯によって活発な通貨ペアが変わる。

時間帯活発な市場動きやすい通貨ペア
7時〜15時(東京)アジア市場USD/JPY・AUD/JPY・EUR/JPYなど
15時〜24時(ロンドン)欧州市場EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPYなど
21時〜翌6時(NY)米国市場USD/JPY・EUR/USD・GBP/USDなど

ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる21時〜24時(日本時間)は、最も流動性が高く値動きが活発になる時間帯の一つだ。

自分がトレードできる時間帯に動きやすい通貨ペアを選ぶことが、実践的な選択の基準になる。

市場時間帯と通貨ペアの連動

覚えておきたいこと

通貨ペアは「何を取引するか」を決める最初の選択だ。

  • 通貨ペアは「基軸通貨/決済通貨」の形式で表示される
  • 価格は「基軸通貨1単位を決済通貨でいくらで買えるか」
  • メジャーペア(USD含む)は流動性が高くスプレッドが狭い傾向
  • クロス円は日本のFX市場で人気が高い
  • 通貨ペアごとに値動きの個性がある
  • 自分がトレードできる時間帯に動きやすいペアを選ぶことが実用的

一つの通貨ペアを深く理解してから取引することが、複数の通貨ペアを浅く知るより長期的には効果的だ。

FAQ

Q
通貨ペアはいくつ覚えればよいのか?
A

最初は一つに絞ることを推奨する。USD/JPYかEUR/USDのどちらかを選び、その通貨ペアの値動きのクセ・動きやすい時間帯・影響を受ける経済指標を集中して学ぶ方が、複数のペアを同時に追うより理解が深まりやすい。

Q
スプレッドが最も狭いのはどの通貨ペアか?
A

一般的にUSD/JPYとEUR/USDが最もスプレッドが狭く設定されることが多い。ただし業者によって異なるため、実際に利用する業者のスプレッド一覧を確認するのが確実だ。

Q
通貨ペアによってpipsの計算が変わるのか?
A

変わる。JPYが含まれるペア(USD/JPY・EUR/JPYなど)は小数点以下2桁目が1pips。JPYが含まれないペア(EUR/USD・GBP/USDなど)は小数点以下4桁目が1pipsになる。詳しくは「pips」を参照。

Q
同じ方向に動く通貨ペアはあるか?
A

ある。たとえばEUR/USDとGBP/USDは、ともに米ドルが決済通貨のため、ドル高・ドル安の局面では同じ方向に動く傾向がある。これを「相関関係」と呼ぶ。相関の高いペアを複数持つと、リスクが分散されずに集中する可能性があるため注意が必要だ。

Q
円を使わない通貨ペアでも日本円で損益が出るのか?
A

そうだ。EUR/USDなどのクロスペアの損益はまずドルで計算され、そのドルが現在のUSD/JPYレートで円換算される。詳しくは「pips」のクロスペア計算の項を参照。

Q
ポンド円(GBP/JPY)は初心者向けか?
A

値動きが大きいため、最初から選ぶには注意が必要だ。値動きの大きさは利益機会にもなるが、同じ理由で損失も大きくなりやすい。まずUSD/JPYなど値動きが比較的安定したペアで取引の基本を習得してからポンド円に移行するのが現実的な順序だ。

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